山菜料理の基本・下ごしらえとあく抜き

山菜の下ごしらえ
まずは、採ってきた山菜をなるべく早く下ごしらえする必要があります。なぜなら、時間が経つと当然鮮度は失われていきますし、さらには「あく」が時間とともに強くなっていく山菜もあるからです。
ですから、なるべく当日の内に下ごしらえをすることをおすすめします。
山菜を採ってきて、一番面倒だと思うのが、実はこの下処理をしなければいけないこと。山の中を歩き回ってけっこう疲れていても、美味しく山菜の恵みをいただくためには必要な作業なんです・・・。
ゴミ取り、不要部分の除去、水洗い
下ごしらえの最初は、採ってきた山菜を新聞紙などに広げます。ここで余計なゴミなどを取り除きます。けっこう枯葉や山菜以外の草木などがついている場合がありますので。
そして、固くて食べることができない部分などを切ったり、取り除いたりします。同時に軽く水洗いなどをして土なども洗い流しておくようにします。
例えば、ふきの葉の部分やわらびなどの根元の固い部分を切ったりします。
その日のうちに料理をして食べない場合は、水洗いをしないで新聞紙に包んで冷所に置いておきます。
それでも、山菜はなるべく早く食べたほうがよいので、後で食べる場合には、洗ってラップで包み、さらにナイロン袋などに入れて冷蔵庫で保存をします。
山菜のあく抜き
ごみ取りなどの作業が終わったら、今度は山菜ごとに「あく抜き」をします。
ご存じ、山菜には「あく」があります。しかしその「あく」の強さは山菜の種類によってだいぶ違いがあります。
例えば、「おおばきぼうし(うるい)」や「くさそてつ(こごみ)」などは、ほとんど「あく」がありません。逆に「しおで」や「はちく」などのように、時間とともにあ「あく」が出てくるもの、さらに「わらび」や「はんごんそう」や「ぜんまい」のような強い「あく」のある山菜もあります。
あく抜きのポイントは、必要以上に抜かないということです。山菜の美味しさには「あく」のもっている「あく味」があるからです。多少に苦味や渋みなども山菜の味のうち・・・だと思っています。
まあ、これは好みがありますので、あく抜きをしている途中で少し食べてみて、お好みの「あく味」にするのがポイントです。
山菜の「あく」の強さで、大きく3つのあく抜きにわけることができます。ただし、天ぷらにしていただく場合は、揚げることによって「あく」が抜けますので、そのまま使用をします。
■ほとんど「あく」がない山菜「あさつき」「おおばきぼうし(うるい)」「うわばみそう」「くさそてつ(こごみ)」「のびる」「わさび」などは、サッと茹でるだけで食べることができます。あまり長い時間煮てしまうと、逆に柔らかくなりすぎたり、味がまったくなくなってしまうので注意が必要です。
サッと茹でたら少し食べてみて、「あく」が強いようであれば冷水にしばらくさらしておくと「あく」が抜けていきます。
「うど」「こしあぶら」「タラの芽」「たんぽぽ」「つくし」「やぶれがさ」「よもぎ」などは、茹でた後に水に少しさらす必要があります。もちろん食べてみた感じで「あく」が気にならなければそのまま使用してもよいのですが。
水にさらす時間は山菜によって違いがありますので、これも少し食べながら調節をすると良いと想います。
「わらび」「ぜんまい」などは、重層や木炭を使用して「あく」を抜きます。私の採ってくる場所の「わらび」はなぜか「あく」が少ないので、一晩水にさらすだけで食べることができます。採取場所によっても違いがありますので、やはり少し食べてみたりしながら調整をするのが良いと思います。


( 上:わらびのあく抜きの為に煮ています。下:水にさらして一晩置きます。)